メダルとコインの違い

MEDAL(メダル)を翻訳すると 勲章・記章となり、記念品や表彰の記念として贈られるものとなり、COIN(コイン)を翻訳すると、貨幣(硬貨)=お金となります。
そのためオリンピックの金メダル、大会、イベントなどで贈呈される参加賞・記念品などはメダルということになります。
では、貨幣(硬貨)で無いものが全てメダルと呼ぶのか? というと、実際には違うようです。


日本以外の国では硬貨を加工しても良い国があるようですが、日本ではお金に関する法律が厳しく、硬貨を加工することができません。

日本のお金に関わる主な法律


(1) 通貨の偽造・変造、偽造通貨の行使等に関するもの 「刑法 第148条~153条」
(2) 通貨模造品の製造に関するもの 「通貨及証券模造取締法」
(3) 紙幣類似の機能を有するものの発行に関するもの 「紙幣類似証券取締法」
(4) すかしを入れた用紙の製造に関するもの 「すき入紙製造取締法」
(5) 貨幣(硬貨)の損傷等に関するもの 「貨幣損傷等取締法」
(6) 一度に使用できる硬貨の枚数に関するもの 「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」
(7) 外国通貨に関するもの 「外国ニ於テ流通スル貨幣紙幣銀行券証券偽造変造及模造ニ関スル法律」


(1)(2)(5)(6)が主に硬貨に関わる法律となります。
(1)(2)の偽造品や模造品を製作しないことは当然として、弊社では社内規定により自国貨幣(硬貨)の寸法(※1)に近い製品の製作を禁止しています。また類似したデザインのものもお断りしております。
(5)の法律により、硬貨を傷つける恐れのある行為や、本来のお金としての目的以外に硬貨を使用することを良しとしない環境にあります。
(6)の法律では、硬貨を一度に20枚以上使用しないように求めています。
このような規制があるため、「手軽に硬貨の代用品として使用することを目的に製作されたもの」がコインと呼ばれる傾向にあるようです。
また。昨今では両替手数料が必要なこともあり、より硬貨の代用品としてのコインの需要が高まっています。

製造方法から見ても、メダルとコインでは違いがあります。
「硬貨及び硬貨の代用品」としてのコインは、機械に通して使用することが多くあります。
代表的なものにはゲームセンター、自動販売機、駐車場、ゴルフ練習場などがあります。
これらで使用される機械では、コインを確認・選別する必要があるため、材質や形状、寸法(直径・厚み)、重量に一定の精度が必要となります。
そのためコインを専門に製作するコイン専用機(Coining Press Machine)(※2)を使用して製作することが一般的です。
一方メダルには、材質・寸法・形状に制限がないため。固定されたものはなく、ガラスや木など様々なものがあります。

(※2)コイン専用機(Coining Press Machine)

とは言うものの、ゲームセンターやパチンコ店では貨幣(硬貨)と区別するため、あえてメダルと呼んでいるという話も聞きます。
コインとメダルの呼び方はご使用される皆様の考え方や、イメージ、語呂などにより様々です。あまり気にする必要はないのかもしれません。


またメダルやコインと似た意味で TOKEN(トークン)があります。
代用貨幣、記念品、引換券、証拠などの意味を持つ英単語です。最近では「ソフトトークン」「ハードトークン」と言い、ネットバンキングやソフトの認証キーのワンタイムパスワード生成アイテムという意味で使用されています。
TOKEN は弊社の名前でもありますが、残念ながらワンタイムパスワードは製作しておりません。


※1日本の貨幣(硬貨)

▼硬貨
直径(mm)
厚み(mm)
材質
重さ(g)
1円硬貨

20.0

1.50

アルミニウム

1.00

5円硬貨
22.0
1.50
真鍮(Cu…60~70%)
3.75
10円硬貨
23.5
1.50
青銅(Cu…95%)
4.50
50円硬貨
21.0
1.70
白銅(Cu…75%、Ni…25%)
4.00
100円硬貨
22.6
1.70
白銅(Cu…75%、Ni…25%)
4.80
500円硬貨
26.5
1.85
黄銅(Cu…72%、Zn…20%、Ni…8%)
7.00
新500円硬貨
26.5
1.85
バイカラ―・クラッド(外側:黄銅、内側:白銅)
7.10

金属製のメダル・コインの一般的な製造工程

■コイン(Coinnin Machine)の製造工程 大量生産向き

コイン製造(自社)
コイン製造改(自社)SP

■一般的なメダルの製造工程 少量生産向き

コイン製造(一般)
コイン製造改(一般)SP